2019.10.10
ノスタルジーに浸る喫茶店
「一茶寮」
盛岡城の東側を流れる清流・中津川沿いには、歴史的建造物や昔ながらの商店などが点在しています。中でも古くから地元の人々に愛されてきた喫茶店の一つが「一茶寮」です。
店舗は天明2(1782)年に建造した蔵を活用したもので、1階は小さなギャラリーとなっており、主に地元作家の作品展などを開催しています。木造の階段を上って喫茶室に足を踏み入れると、間接照明が照らし出すノスタルジックな空間とコーヒーの香りに包まれて、店主の村井康文さんが迎えてくださいました。
創業者である村井さんのお父様が蔵を改装し、ギャラリー兼喫茶店を開いたのが1975年のこと。当時からほとんど変わらないという内装や家具類は、芸術に造詣の深いお父様の趣味が反映されているそう。どれも長く大切に使い込まれたものが持つ温かみと、民芸品のように静かな美しさがあります。
創業当時からの看板メニューは、スープとコーヒーが付いた「ふかしパンセット」(680円・税込)。オーダーを受けてから蒸し器で蒸すパンはしっとりと柔らかく、素朴な味わいです。
「読書をされる方も多いですし、地元の作家さんが小説を書きにいらっしゃることもあります。最近では外国人の方が好んで訪れることも多いですね」と村井さん。流行に左右されない落ち着いた雰囲気と、どこか懐かしい空気感。一茶寮には、訪れるすべての人を優しく受け入れてくれるような、のんびりと心地良い時間が流れていました。
店主 村井 康文さん
一茶寮
- 東北自動車道盛岡ICから車で約15分
- 住所
- 岩手県盛岡市上ノ橋町1-48 MAP
- 電話
- 019-653-4646
- 営業時間
- 10:00 ~ 19:00
- 定休日
- 日曜日
- 駐車場
- 4台
※表示の価格は消費税率の改定に伴い、2019年10月1日以降に変更になる可能性があります。
盛岡市の指定文化財「旧井弥商店」(旧盛岡正食普及会)の奥にある土蔵が目印。1階ギャラリーは見学無料で、さまざまな現代美術の作品展を週替わりで開催しています。