街のシンボルとして佇む「岩手銀行赤レンガ館」

特集No.10岩手

2019.06.25

街のシンボルとして佇む
「岩手銀行赤レンガ館」

交差点に面した八角塔の足元にある扉を開けると、まるで明治時代にタイムスリップしたかのようなモダンな空間が広がります。ここは「岩手銀行赤レンガ館」。1911年に盛岡銀行の本店行舎として落成し、1936年に岩手殖産銀行(のちの岩手銀行)の本店として引き継がれ、1994年には現役の銀行として初めて国の重要文化財に指定されました。建物は「赤レンガの銀行」と呼ばれ親しまれましたが、2012年に銀行の役目を終え、約3年半の保存修理工事を経て、当時の記憶を現在に伝える公開施設に生まれ変わりました。

設計にあたったのは東京駅や日本銀行本店などの設計者として知られる辰野金吾と、その教え子で盛岡出身の葛西萬司です。赤レンガに白のラインが組み込まれた外壁を緑のドームが覆うデザインは「辰野式建築」の特徴的なデザインの1つで、辰野 が設計した建物としては唯一、東北地方に残る作品です。

館内は、天井や柱の精緻な意匠、金庫室、応接室など当時の設備を見学できる他、設計者や岩手の金融史を紹介するコーナーも設けられています。

「1日に大体200から300名の方がいらっしゃいます。小さなお子さまからご年配の方まで幅広くいらっしゃいますが、カメラやスマホを片手に若い女性が多く訪れますね」と赤レンガ館のスタッフとして働く中居澄子さん。今日も赤レンガ館には、その優美な姿を写真に納めようと県内外から多くの人が訪れます。

岩手銀行赤レンガ館 スタッフ 中居 澄子さん

岩手銀行赤レンガ館 スタッフ 中居 澄子さん

岩手銀行赤レンガ館

東北自動車道盛岡ICから車で約25分
住所
岩手県盛岡市中ノ橋通1丁目2-20 MAP
電話
019-622-1236
時間
10:00 ~ 17:00(※入館は16:30まで)
定休日
火曜日、年末年始
(※施設の設備点検・修理等でご利用いただけない場合もございます)
駐車場
近隣の有料駐車場を利用のこと
WEB
https://www.iwagin-akarengakan.jp/

岩手銀行赤レンガ館

建物の設計書や数十年前の通帳など、貴重な資料を展示しており「昔の銀行って、こうだったよね」と懐かしむ来館者の姿も。「これからの季節はコンサートなど、イベントも増えるのでおすすめです」と中居さん。

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