2019.03.15
中国人の屋台がルーツの
「十文字中華そば」
「かつて、この地域の中心地が増田街道と羽州街道が交差する場所だったことから、十文字と名付けられたそうです」。そう教えてくれたのは「名代三角そばや」の二代目・佐藤秀さん。お店のメニューは夏季を除き、十文字で昔から親しまれている「十文字中華そば」の三角中華そばのみ。「創業当時の味を大切にしています。何十年と通っている方も多いんですよ」と佐藤さんは語ります。
十文字中華そばは、昭和初期、多くの人が行き交う十文字で一人の中国人が引いていた屋台のラーメンが評判になったことから始まりました。その特徴の一つがラーメンでコシを強めるために用いられる「かん水」を使用しないこと。「かん水を使わないので、小麦の豊かな香りと味が感じられます」と佐藤さん。スープは煮干しやカツオ節などのあっさりとした醤油味が基本とされています。
同店では、数種類の小麦粉をブレンドした自家製の極細麺を一つ一つ丁寧に手もみすることで、プリプリとした食感の麺に。スープは高級割烹でも使用される陸奥湾産焼干しなどをベースにしただしに名代三角そばや伝統の醤油ダレを合わせ、やさしい味わいの和風スープに仕立てています。
日頃から佐藤さんは冗談を交えてお客さんに話しかけます。「中華そばをおいしく食べてもらうのはもちろんですが、会話を楽しむのも食文化の一つだと思うんです」。お腹と心が満ち足りる一杯を、ぜひお試しください。
名代三角そばや 社長 佐藤 秀さん
名代三角そばや 十文字本店
- 湯沢横手道路十文字ICから車で約1分
- 住所
- 秋田県横手市十文字町梨木字羽場下63-1 MAP
- 電話
- 0182-42-1360
- 時間
- 冬期[平日]11: 00 ~ 17: 00
[土・日・祝]11:00 ~ 18:30
※月曜は15:00までの営業 - 定休日
- 不定休
- 駐車場
- 無料、約30台
- WEB
- http://www.sankakusobaya.jp/
十文字本店の建物は山形県金山町にあった築100年以上の古民家を移築したもの。中華そばとともに、建物を楽しみに訪れるお客さんも多いそうです。