2018.05.31
澄んだ音色に涼を感じる、
日本の夏の風物詩「南部風鈴」
“リーン”と高く澄んだ音が、心に一時の涼を運んでくれる南部風鈴。原料の一部に砂鉄を使い、堅く仕上げる南部鉄器だからこそ、美しい音が鳴るといいます。
「デザインによって音が一つ一つ異なるので、好みの風鈴を探してほしいですね」
そう説明するのは南部鉄器の老舗メーカー「岩鋳」の小川泰輔さん。明治35年の創業以来、伝統の技を守り、そして新しい伝統を創造する本場盛岡の南部鉄器の一貫生産メーカーとして、現在では1,800種類を超える製品を送り出しています。
その優れた品質やデザインは近年、国内外で認められ、同社の南部鉄器はブランドとのコラボレーションや、話題の観光列車「四季島」の車内では急須が使用されています。「欧米でも人気で20カ国以上に輸出しています。製造工程の見学に訪れる海外の方も増えていますね」と小川さん。
盛岡市内にある岩鋳鉄器館では、一つの製品の完成に3週間以上かかるという南部鉄瓶の製造工房の見学が可能。2人の伝統工芸士をはじめとした「釜師」と呼ばれる職人たちの巧みな手業や、迫力ある鉄の流し込みなどを間近に見ることができ、その光景には、子どもも大人も思わず夢中 になってしまいます。
夏には岩鋳鉄器館のエントランスや通路で、たくさんの南部風鈴が出迎えてくれるそう。ぜひ、日本の夏を代表する美しい音色に耳を傾けてみてください。
岩鋳 観光部 販売課 小川泰輔さん
株式会社 岩鋳(いわちゅう)
- 東北自動車道盛岡南ICから車で約10分
- 住所
- 岩手県盛岡市南仙北2-23-9 MAP
- 電話
- 019-635-2505
- 時間
- 8:30 ~ 17:30
- 定休日
- 火曜日
- 駐車場
- 無料、40台
- WEB
- http://iwachu.co.jp/
岩鋳鉄器館では、南部鉄器の製造工程の見学をはじめ、貴重な展示や音を鳴らして楽しめる大型鉄琴、歴史紹介など、南部鉄器を見て、触って、学ぶことができます。