2017.03.31
桜のまちに慈しまれた伝統の技・
樺細工
仙北市角館町の武家屋敷は県内有数の桜の名所。黒板塀と紅色のシダレザクラが作り出す佇まいは風情豊かで、毎年数多くの観光客が訪れます。花見の際にぜひ立ち寄りたいのが仙北市立角館樺細工伝承館です。
樺細工はヤマザクラの樹皮で作られる工芸品。幹から剥がした樹皮は時間をかけて乾燥させ、表面を丁寧に削ってなめらかにします。その皮を加工する際に使うのも天然のニカワ。コテで熱を加えながら土台に張るなど形にしていきます。仕上げもムクノハやトクサ、布で磨きをかけるなど、熟練の技と経験があってはじめて完成する逸品なのです。角館に技術が伝わったのは約230年ほど前。佐竹北家*が下級武士の手内職として庇護したのが始まりです。
仙北市立角館樺細工伝承館では10名の伝統工芸士が交代で詰め、熟練の技を披露してくれます。取材に訪れた際は、伝統工芸士の鈴木保さんが製作中でした。「この仕事はやればやるほど難しく感じます。でもお客さまや仲間から常に刺激を受け、次はこうしてやろうと挑戦したくなる。それが魅力ですね」と笑顔で話してくれました。
*佐竹北家:角館の城主。
伝統工芸士 鈴木保さん
仙北市立角館樺細工伝承館
- 秋田自動車道 大曲ICから車で約40分
- 住所
- 秋田県仙北市角館町表町下丁10-1MAP
- 電話
- 0187-54-1700
- 期間
- 9:00~17:00(4~11月)、9:00~16:30(12~3月)
- 休館
- 12月28日~1月4日
- 料金
- 大人300円、小・中学生:150円、6歳未満は無料
- WEB
- http://www.city.semboku.akita.jp/sightseeing/densyo/kaba.html
仙北市立角館樺細工伝承館
仙北市立角館樺細工伝承館では樺細工の製作工程や歴史などを紹介している他、物産展示室もあります。